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ブログ三銃士

このブログは、FM府中で絶賛放送中の番組、「シネマ三銃士Z」を母体とするブログです。放送では収まりきらない思いの丈のほか、ラジオで放送したものとは関係ない本のことや音楽のことetcを綴っていきます。FM府中ポッドキャストもよろしくね!http://fmfuchu.seesaa.net/

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第10回「ホース・マネー」~

ペドロ・コスタ「ホース・マネー」(2014・ポルトガル・スタンダード・104分) www.cinematrix.jp ・ペドロ・コスタの倫理 カーボヴェルデの移民たちが、ヴェントゥーラ自身の肉体に比喩的にではなく刻み付けられているのと同程度に、そして初期作『血』『骨…

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第9回「ジュラシック・ワールド」

「ジュラシックワールド」(2015)コリン・トレボロウ監督(アメリカ・124分・スコープ) ・「見る」と「見られる」 恐竜は見るものであって、恐竜に見られることはない。これこそがシリーズ一作目の傑作「ジュラシック・パーク」を貫くモチーフであった。こ…

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第8回「山河ノスタルジア」

ジャ・ジャンクー「山河ノスタルジア」(スタンダード・アメリカンビスタ・スコープ/125分) www.bitters.co.jp ・かなしみ≠悲しみ いささか時代の隔絶を感じざるをえないという意味で突拍子も無い冒頭のペットショップボーイズ「Go West」で踊る主演チャオ…

中学国語教科書を読む―その11―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 今回から「理解力1 的確に読み解く」という単元に入る。ここで不思議なのは、この「理解力1」の単元の最初にあるイラストである。二つの机が描かれており、一つは正方形に近く…

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第7回「バケモノの子」~

細田守監督「バケモノの子」(16:9・119分) バケモノの子 (スタンダード・エディション) [Blu-ray] 出版社/メーカー: バップ 発売日: 2016/02/24 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (6件) を見る ・くじら 始まってすぐの渋谷スクランブル交差点を緻…

中学国語教科書を読む―その10―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 前回からしばらく時間が空いてしまった。引き続き中学国語教科書をだらだらと読んでいく。「わかりやすく述べる」の単元で、前回は説明文「水田のしくみを探る」を読んだ。その…

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第六回「母よ、」~

ナンニ・モレッティ監督「母よ、」(ヨーロピアン・ビスタ/107分) 映画『母よ、』第68回カンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞受賞 カイエ・デュ・シネマ誌が選ぶ2015年映画第1位 2016年3月公開 表象という点においては記憶と夢に違いはない。我々が記憶…

中学国語教科書を読む―その9―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 今回の第9回にしてようやく一つの文章を読むことができそうだ。いかに教科書を読み飛ばさずきちんと読むというのがコンセプトであるとしても、かなりのスローペースである。「…

中学国語教科書を読む―その8―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 今回は前回に引き続き「表現力」の単元。見開きコラムの「類義語辞典の活用」も読み飛ばさずに読む。ここでの問題は次のようなものである。 「―線部の「推量」という言葉が少し…

シネマディクトSの冒険~シュウの映画時評・第五回「キャロル」~

トッド・ヘインズ「キャロル」(アメリカンビスタ・118分) carol-movie.com ・映画とその時代 地下鉄の音が流れながら通気口が写るオープニングに「CAROL」のタイトルがうっすらと現れる。アイゼンハウアー大統領の就任というニュースから、そして粒子が荒…

中学国語教科書を読む―その7―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 万葉集やら、かぐや姫やらの歴史的な文章を終えると、漢字についてのコラムが二つ続く。「漢字の字体・画数・筆順」では、歌舞伎に使われる勘亭流、寄席文字、相撲文字といった…

中学国語教科書を読む―その6―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 第6回である。次は「竹取物語」。全部はとても長いので、いくつかの場面を抜粋して掲載されており、その間に編集委員による説明が挟まっている。冒頭では「古典には、その当時…

中学国語教科書を読む―その5―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 今回は漢詩と漢文を扱う。中学一年生でもこんなのをやったっけか。あまり記憶にないが、有名な孟浩然「春暁」と論語による「吾、十有五にして学に志す…」のやつ。 「春暁」は素…

シネマディクトSの冒険 ~シュウの映画時評・第四回「ザ・ウォーク」~

前回の「ブリッジ・オブ・スパイ」評において、私が一本の糸が両端から引っ張られることをサスペンス性の比喩として用いたとき、そうした選択を無意識に決定していたのはこの映画だったのかもしれない。というのもまさにこの映画こそ、110階建て、地上417メ…

中学国語教科書を読む―その4―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 第4回である。今回は「随筆」と「物語」を読む。随筆は枕草子と徒然草。物語は平家物語であり、どれも全て冒頭部分が載せられている。この記事も随筆ということになるのだろう…

中学国語教科書を読む―その3―

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 前回は和歌を三首よんだだけで終わってしまった。あまりにのろのろとしたペースだけれど、仕方がない。学生のときもなぜ国語の教科書がこんなに進まないのか、理解できなかった…

シネマディクトSの冒険 ~シュウの映画時評・第三回「ブリッジ・オブ・スパイ」~

スティーブン・スピルバーグ「ブリッジ・オブ・スパイ」(シネマスコープ、141分) www.foxmovies-jp.com 傑作である。冷戦期、1972年のミュンヘン・オリンピック事件を素材にした傑作「ミュンヘン」を撮ったスティーブン・スピルバーグは、本作で1950年代後…

中学国語教科書を読む―その2― シュウ

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 テレビやゲームをさしおいてまず何よりも国語の宿題をするという中学一年生などほとんど居ないだろうから、この年末も差し迫った日に真剣に国語の教科書を読んでいるのは僕だけ…

シネマディクトSの冒険 ~シュウの映画時評・第二回「マイ・ファニー・レディ」~

ピーター・ボグダノヴィッチ「マイ・ファニー・レディ」(アメリカン・ビスタ、93分) www.myfunnylady.ayapro.ne.jp あの「ペーパー・ムーン」を撮ったボグダノヴィッチの13年ぶりの新作、しかもコメディであるというだけで映画館に駆けつけなくてはならな…

中学国語教科書を読む―その1― シュウ

平成24年度版中学校国語教科書『中学生の国語』|三省堂「ことばと学びの宇宙」 小学校、中学校、高校と、必ず全教科について教科書があったけど、あまり丹念に読んだ記憶はない。ページを飛ばしたり、先生オリジナルのプリントを使ったりして、身近でありな…

シネマディクトSの冒険 ~シュウの映画時評・第一回「野火」~

塚本晋也「野火」(2015)87分・アメリカンビスタ 自らがなにかに引き裂かれ、分裂を回避できないとき、そこに倫理が生じる。戦場では文字通り肉体としての人間が現れる。それは「犬」や「猿」のようなものであり、肉片である。そうした事実を認めながらも、…

「マグノリア」回の補足

PTA(ポール・トーマス・アンダーソン)は何気なく超絶技巧を織り交ぜてくる。たとえばウィリアム・Hメイシーが電器店に入っていくシーンやクイズ番組の放送局内のシーンなど、ワンカットで収めることに執念を燃やしていることが明らかだ――その効果は明らか…