ブログ三銃士

このブログは、FM府中で絶賛放送中の番組、「シネマ三銃士Z」を母体とするブログです。放送では収まりきらない思いの丈のほか、ラジオで放送したものとは関係ない本のことや音楽のことetcを綴っていきます。FM府中ポッドキャストもよろしくね!http://fmfuchu.seesaa.net/

「レザボア・ドッグス」のフォーカスについて

下の文章は2011年5月12日に放送されたシネマ三銃士「レザボア・ドッグス」の回で掲載されたものです。FM小金井ポッドキャストは近々閉鎖予定で、そうなるとそこに掲載された文章も消えてしまいます。なんだかそれももったいないので、ちょっとずつこちらに載せていこうかと、そう思うわけです。

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まず最初に断っておかなきゃならないのは、ボクは撮影技術について専門的な知識なんてまるで無くて、まあ趣味として一眼レフで写真を撮るくらいだってこと。だから、映画の撮影で使用される機材やら技術については完全な門外漢。そんな具合なので、これから書かれることには、ボクの勘違いや間違いがあるかもしれない。その点を留意して読んでいただけたら幸いです。

 で、ボクが気に病むわけのわかんない発言ってのは何かって言うと「パン・フォーカス」云々のくだりです。この「パン・フォーカス」という言葉、シュウに後で指摘されて知ったのですが、これは和製英語らしく、ちゃんとした英語だと「ディープ・フォーカス」というそうです。「パン・フォーカス」「ディープ・フォーカス」って何のことかというと、被写界深度にかかわることなんです。カメラで何かを撮影したときに、撮ろうと思っていた対象がぼやけて写ってしまったこととかありませんか?いわゆる「ピンボケ」「ピントが合ってない」ってやつ。
 被写界深度という耳慣れないこの言葉、これはピントの合う幅、奥行きのことです。カメラには「絞り」なるものがありまして、これを開くと被写界深度は浅く、つまりピントの合う幅が狭く、閉じると深く、つまりピントの合う幅が広くなります。絞りが開放に近いと、手前か奥かピントを合わせる被写体を選ぶことになるわけです。
 「パン・フォーカス」「ディープ・フォーカス」って言うのは、被写界深度を深くして、画面の手前から奥のほうまでピントを合わせることを言います。フォーカスについての原理等は下記サイトが参考になると思います。

フォーカス(フィルムロジック)

いやぁ、勉強になりますね、このサイト。ラジオで喋った後で見つけたのですが、このサイトの「レザボア・ドッグス」について取り上げられているシーンが、ラジオでボクがまさに言いたかった箇所です。この画像だとわかりづらいかもしれないけど、この画面、左右でピントの合っている距離が違うんです。画面右側は手前の人物にピントが合っていて、奥のほうがぼやけてます。で、画面左側の人物、この人画面右側でぼやけているあたりにいるのですが、ピントが合ってる。だからよく見ると真ん中のあたりが不自然な感じ。で、「レザボア・ドッグス」を最初に観たボクは思ったのです。
 「なんでこんな不自然な感じの画面にしたのだろう?手前の人物と奥の人物両方にピントを合わせたいのならパン・フォーカスにしてしまえばいいのに。ひょっとして、経済的な理由か何かでそれができなかったのかな?」と。まあ、ボクはズブの素人なわけで、まさに素人考えなのですが・・・。

 前記のサイトによると、どうやら焦点を別々に撮るテクニックがあるみたいですね。勉強になりました。普段何気なく観ている映画ですが、製作者の様々な工夫や技術が込められているということを改めて感じました。今後はそんな面にも注意して映画を観ていこうと思ったダイスケでした。では、またね。