ブログ三銃士

このブログは、FM府中で絶賛放送中の番組、「シネマ三銃士Z」を母体とするブログです。放送では収まりきらない思いの丈のほか、ラジオで放送したものとは関係ない本のことや音楽のことetcを綴っていきます。FM府中ポッドキャストもよろしくね!http://fmfuchu.seesaa.net/

ダイスケつれづれ 第3回「クリスマスはやるのにラマダーンはやらないの?」

さて、まずはニュースを1つ。

ドルチェ&ガッバーナイスラム女性向け「ヒジャブ」コレクション発売
www.fashionsnap.com


これ、カッコいいと思うんですがどうですかね?ジョジョのキャラクターでこんな格好をしたのがいてもおかしくないような。
記事にもある通りムスリム向けの市場というのはかなり大きなもののはずです。だって、イスラム教は三大宗教の1つですよ。それだけの人々が、ムスリムであり、彼らは彼らの文化的背景を持っています。それに合わせた商品やサービスを提供するというのは当たり前ですよね。
さて、これなら非ムスリムでもヒジャブを着用したくなるのでは、なんて思います。非クリスチャンでありながら、首から十字架をぶら下げられる人々ならなんの躊躇いもなくできるはずでしょう。できるかな?うーん。

こうして断言することをためらわせるのは、ファッションアイコンとなりうるムスリム女性というのが思い浮かばないからかもしれません。
そう言うと、アイコンになりうるムスリム男性も思い浮かびません。もちろん、ムスリムの多い国それぞれになら、そうした人もいるかもしれませんが、この世界の果ての島国にまで影響力を持つような世界的なファッションアイコンはいないように思います。

ぼくらが往々にして影響を受けるのはアメリカやヨーロッパ出身の、肌の色が比較的白い、信仰心の強弱に関わらずクリスチャンの人々のように思います。

ぼくらが影響を受けるのはメディアを通してになるはずです。そして、それは大抵映画が多いのではないでしょうか。そして、その映画に登場するヒーローやヒロインはだいたいが上記のような白人クリスチャンのように思います。
これはぼくが改めて言うまでもなく、以前から批判にさらされていた問題だとは思います。とは思いますが、問題視されていながら、それが解決しそうな気配すらないのが現状なのではないでしょうか。
一番厄介で恐ろしいのは、ぼくらがさらされている情報が、多くのものを排除したものであるということが明示されておらず、その影響を受けた人が無意識のうちにそうした排除の価値観が埋め込まれた状態になってしまうことです。
この世界には仏教徒もいればムスリムもいるしクリスチャンもいます。太った人もいれば痩せた人もいるし、ある種の価値観から見れば美しい人も醜い人もいるでしょう。様々な肌の色の人がいますし、様々なセクシャリティの人がいます。確かに、一本の映画がそれらすべてを描き尽くすなどということは不可能です。まあ、映画なんてそんなもんですから。そんなもんなのにも関わらず、強い影響力も持っている。メディアのとても厄介なところのように思います。

もちろん、様々な人々を映画に登場させようという動きはあって、例えばディズニー映画のプリンセス。ジャスミンや、ムーランはアジア系だし、ポカホンタスはネイティブアメリカン、メリッサはアフリカ系です。もしかしたら、将来的には同性愛者の主人公だって表れるかもしれない。これは難しいかな。もちろん、これはマーケティング上の問題、白人のプリンセスばかりじゃ、非白人の子供たちに対する訴求力が弱い、ということがあったのかもしれません。もしかしたら、純粋に商業主義的な動機からのことなのかもしれません。それに、最初に取り上げたヒジャブにしても、これはそうした市場があるからのことで、人種差別や、宗教差別に対する取り組みではないでしょう。しかしながら、もしも動機が商業主義だったとしても、それで世の中がそうした「違い」を受け入れることの助けになるのなら、それはそれでいいのかもしれません。もちろん、商業主義が人を傷付けることだってたくさんあるんですけどね。